- この記事はこんな人におすすめ!
エンジニアの登竜門と言われている「基本情報技術者試験」。
たしかに、「基本情報技術者試験は意味ない。時代遅れ」という評判を耳にしますよね。
結論から言うと、意味のない試験でも時代遅れでもありません。
ただし、おすすめしない人もいますので、基本情報技術者のポイントを把握しましょう。
今回は「基本情報技術者が意味ないと言われる理由」について社労士のあゆこがご紹介します。
基本情報技術者が意味ない・時代遅れと言われる7つの理由
誰でも受けられ、持っている人が多い=希少性がない
基本情報技術者は、受験資格がなく誰でも受けられます。
また、年間の受験者数が10万人を越える人気資格で、すでに11万人以上の人が資格をもっています。
このため、希少性がない=意味がないと言われています。
エンジニアの登竜門と言われている資格なので、資格保有者が多いのは仕方がないですね。
基本的な内容が多い
基本情報技術者は、「基本」の名の通り基本的な内容が多く、資格をとっただけでは仕事ができない=意味ないと言われています。
ITエンジニアとしてキャリアをスタートするには、まず基本情報技術者試験から受験することをお勧めします。
引用:独立行政法人情報処理推進機構「基本情報技術者試験」より
どの資格もですが、知識とスキルは別モノです。
資格をとっただけで仕事ができるわけではありません。
とはいえ、基本情報技術者をとうことでIT業界で必要な基礎知識や専門用語が身につきます。
基礎知識があれば、仕事をしていく上で最低限の指示を理解できるようになりますよ。
独占業務がない
基本情報技術者試験は、医師や司法試験のように、資格をとった人しかできない仕事はありません。
資格をもっていなくても、スキルさえあればエンジニアになれます。
このため、時間をかけて基本情報技術者試験に合格しても、転職に有利にならない可能性があります。
とはいえ、ほとんどのIT企業でまずは基本情報技術者をとるよう推奨されています。
実際はIT企業も認める「意味のある資格」なんですよ。
実務で使わない知識もある
基本情報技術者に限りませんが、試験のなかには普段は使わないような知識も出題されます。
ただし、実務でつかわないからといって意味がないわけではありません。
たとえば、基本情報技術者試験の出題範囲であるネットワークに関する知識。
もしかするとネットワークエンジニアでなければ普段つかうことはないかもしれません。
ですが、ネットワークに関する知識をもつことで、セキュリティ意識を高めることができます。
実務で使わない知識であっても、幅広い知識を身につけておくと、のちのち役に立つこともありますよ。
IT技術の進化がはやい
基本情報技術者を勉強しても、すぐに時代遅れになってしまう可能性があります。
たとえば、セキュリティに関する技術であれば、攻撃手法が新しくなったら通用しません。
とはいえ、過去の技術がムダになるわけではありません。
過去の技術が基礎となって、新しい技術ができます。
基本的な知識を学んだうえで、日々アップデートしていくことが大切です。
海外企業では評価されない
基本情報技術者試験は日本の国家資格であるため、海外では評価されないことがあります。
海外企業につとめている、海外企業につとめたい、こういった人からすると「基本情報技術者は意味のない資格だ」と感じるかもしれません。
海外企業に就職したいのであれば、CCNAやJavaSilverなど海外でも需要のある資格を検討しましょう。
IT関連にかぎりませんが、資格を取る時は自分の職場や自分がしたい仕事に必要なものかどうか事前に調べましょうね。
応用情報技術者を受けた方が早い
基本情報技術者には、上位資格に「応用情報技術者」があります。
ある程度エンジニアの知識がある人は、応用情報技術者をとる方が効率がいいかもしれません。
ただし、基本情報技術者は出題範囲が広く、合格率は20~30%程度とかんたんな資格ではありません。
自信のない人は、基本情報技術者からステップアップしましょう。
なお、基本情報技術者と応用情報技術者をダブル受験することもできますよ。
【基本情報技術者は意味ない?時代遅れ?】4つのメリット
基礎知識が身につく
たとえば、打ち合わせで基本的な専門用語がわからないと話になりませんよね。
基本情報技術者の学習内容は、プログラミング、ネットワーク、データベース、セキュリティなど、幅広い分野です。
当然、専門用語も理解できるようになります。
基本情報技術者試験を受けると、エンジニアとして働くために最低限必要な知識が身につきますよ。
体系的に学習できる
必要な知識をバラバラに学ぶのではなく、整理して学ぶことができます。
体系的に学習すると、つぎのようなメリットがありますよ。
- 分かりやすい
- つながりが分かる
- 応用がきく
構成にそって学習することで、バラバラに学ぶよりもムリなく理解が深まります。
収入アップが見込める
2030年にIT人材の不足は、約45万人にのぼると予想されています。
このためIT人材の需要はたかく、高い報酬が得られることも珍しくありません。
たとえば、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によるとプログラマーの年収は約523万円でした。
日本人の平均年収464万円(国税庁「令和3年民間給与実態統計」より)とくらべると、約59万円も高くなっています。
基本情報技術者を持っていると、月3万円の資格手当がでる企業もありますよ。
合格すると祝い金がでる会社もありますよ!
資格手当がつく会社なら確実に年収アップにつながりますね。
大学入試で優遇されることがある
大学によっては、基本情報技術者に合格することで、単位認定されたり、入試で優遇されることがあります。
たとえば、東海大学や横浜商科大学、兵庫県立大学など全国125校の大学で基本情報技術者は単位認定されます。
多くの大学で情報処理技術者試験が活用されています。
参考:基本情報技術者の活用事例(情報処理推進機構)
- 情報処理技術者試験を活用している大学・短大 大学数:361校
- 入試優遇 大学数:240校
- 単位認定 大学数:125校
- シラバスの一部又は全部を参考とした授業カリキュラムの策定 大学数:87校
- 受験対策支援講座の実施 大学数:153校
- 受験を推奨(受験料補助、合格者の表彰、報奨金等支給)大学数:137校
【基本情報技術者は意味ない?時代遅れ?】おすすめな人
若手エンジニア
基本情報技術者試験はエンジニアの登竜門と言われています。
ITエンジニアとしてキャリアをスタートするには、まず基本情報技術者試験から受験することをお勧めします。しっかりとした基礎を身に付けることにより、その後の応用力の幅が格段に広がります。
引用:独立行政法人情報処理推進機構「基本情報技術者試験」より
就職すると、基本情報技術者をとるように推奨される会社もあります。
エンジニアとして働くのに必要最低限の知識が学べるので、エンジニアとして働きたい人が取っておいて損のない資格です。
基本情報技術者が優遇される職場ではたらいている人
会社によっては、基本情報技術者に合格するとつぎのようなメリットがうけられることがあります。
- 資格手当がもらえる
- 合格祝い金がもらえる
- 昇進に必要になる
このような会社で働いている人は積極的にとりたいですね。
基本情報技術者が優遇される学校に通っている・通いたい学生
基本情報技術者に合格するとつぎのようなメリットのある学校があります。
- 入試で優遇される
- 単位に認定される
たとえば、東海大学や横浜商科大学、兵庫県立大学など全国125校の大学で基本情報技術者は単位認定されます。
就職のときに履歴書にも書けるので、エンジニア希望の学生におすすめです。
【基本情報技術者は意味ない?時代遅れ?】おすすめしない人
すでに実力のあるエンジニア
基本情報技術者は、エンジニアの登竜門と言われている資格です。
すでに実務経験のあるエンジニアであれば、応用情報技術者などより専門的な資格のほうが、効率的です。
未経験からエンジニアとして転職したい人
IT業界への転職で資格が優遇されることはほとんどありません。
資格よりも実績が重視されます。
このため未経験からエンジニアに転職したい人は、資格よりも実績となるポートフォリオを作りましょう。
【基本情報技術者は意味ない?時代遅れ?】試験概要
基本情報技術者は2023年4月から通年実施の試験となりました。
受験資格 | なし |
受験料 | 7,500円 |
合格率 | 30~40%前後 |
試験内容は科目Aと科目Bに分かれており、出題形式が違います。
科目A | 科目B | |
試験時間 | 90分 | 100分 |
問題数 | 60問 | 20問 |
出題形式 | 多肢選択式 (四肢択一) | 多肢選択式 (長文読解式) |
出題内容 | テクノロジ系 ストラテジ系 マネジメント系 | アルゴリズムとプログラミング 情報セキュリティ |
合格基準点 | 600点/1,000点満点中 | 600点/1,000点満点中 |
【基本情報技術者は意味ない?時代遅れ?】よくある質問
【基本情報技術者は意味ない?時代遅れ?】まとめ
基本情報技術者が意味ないと言われる理由はつぎの7つ
おすすめな人はこんな人です。
逆におすすめしないのはこんな人。
エンジニアに転職したいなら、資格よりも実績を積みましょう。
スクールに通うと、ポートフォリオの作成もサポートしてくれるのでおすすめですよ。